4年ぶりにホンダが雪上試乗会を開催しました。これまでは、北海道の鷹栖テストコースで開催していました。今回は、長野県御嶽山の麓にある御嶽スノーランドにステージが設置されました。ホンダにとって本州でのイベントは初めてというだけでなく、整備されたテストコースとは異なり、冬期閉鎖される公道で開催されます。一般ユーザーが遭遇する実際の雪道に近い状況で、Hondaの四輪駆動車の性能を体感できる機会でした。
御岳スノーランドでのテスト車両。ホンダの四輪駆動車は、プロップシャフトを介して動力を伝達する機械式四輪駆動を採用していますが、NSXとレジェンドは例外で、スポーティなハイブリッド駆動システム「SH-AWD」を採用しています。御嶽山スノーランドでの試乗の様子。これまでホンダの全輪駆動車には、スポーツハイブリッドシステム「SH-AWD」を採用するNSXとレジェンドを除き、プロップシャフトを介して動力を伝達する機械式全輪駆動システムが採用されてきました。
今回試せた全輪駆動システムは、ビスカスカップリングによるシンプルな全輪駆動システムと、ホンダが「リアルタイムAWD」と呼ぶシステムの2つです。どちらも長い歴史を持つ全輪駆動システムで、説明の必要もないでしょうが、簡単に説明すると、最初のシステムは、流体を充填したビスカスカップリングを介して駆動力を伝達するものです。普段は前輪駆動車のように主に駆動していますが、前輪が回転して前後輪に回転差が生じると、クラッチに摩擦が生じ、後輪にも駆動力が伝わります。シンプルで安価なシステムですが、駆動力が時間差で後輪に伝達されるという制約があります。今回の試乗では、フィットのハイブリッド車であるe:HEVと組み合わせたシステムです。